アイス屋さん

夏になるとドイツの町のあちこちにアイス屋さん(Eisdiele)を見かけます(*)。通りにテーブルやいすが出され、夏の太陽の陽射しを受けながら楽しそうにアイスを食べているドイツ人を初めて見ると驚いてしまいます。

ドイツのアイス屋さんでは、自分の好きなアイスの球を1-5個選んで注文することもできますし、色とりどりの豪華なパフェもあります。シャーベットも多く、例えばレモン味なら本物のレモン果汁を使っているので、日本人には酸っぱく感じられます。ドイツのアイスは日本のものより甘いのはもちろんですが、日本のきめの細かさが感じられるものとは違い大味です。飾りの生クリーム(Sahne)は甘くなく、牛乳のような味でざらざらした感じです。

ドイツのアイス屋さんはもともと、100年くらい前からドイツに来ていた北イタリア人によって始められた歴史あるもののようですが(Cortina Eisdiele, Dolomiten-Eis, Venezia)、イタリアンジェラートともまた違うと思います。イタリアンジェラートはドイツのアイスよりさらに甘いものです。

話はそれますが、日本でいうアイスコーヒーはドイツの喫茶店(Cafe)にはありません。しかし、アイス屋さんではEiskaffeeなるものを注文できます。このドイツのEiskaffeeは日本のアイスコーヒーとは似て非なるものでコーヒーフロート、要するに上にアイスののった冷たいコーヒーです（又は温かいコーヒーの場合もあります）。Cafeでアイスコーヒーなんて、コーヒー好きのドイツ人からすれば邪道なのでしょうか。本当にコーヒーを好きな人からすれば、コーヒーは熱いものです。だから誰かに"Das ist kalter Kaffee." と言われれば、それはおもしろくない話だという意味で、軽蔑されていることになります。

＊夏の間アイス屋さんのあった場所には、冬になるとじゅうたんや毛皮などの店が入っています。