今回は、Freibergと同じザクセン州にあるツヴィッカウという町を紹介します。ライプツィヒからローカル線で1時間20分のところにあるツヴィッカウは、元来車産業で知られていて、東独時代には、国民車であったTrabandを作っていました。このTrabandは小型で、「ダンボールでできている」などとも言われていました。今ではもう作られていませんが、まだ旧東独の市街でその姿を見掛けることがあります。
Zwickauはもう一つ、ロマン派の作曲科ロベルト・シューマン(Robert Schumann, 1810-1856)の生まれた町でもあります。シューマンは18歳でライプツィヒ大学へ入学するまでここで過ごしました。同時代のメンデルスゾーンが、当時音楽家として著名だった先生にきちんとした音楽教育を受けていたのに対し、シューマンはこの田舎町でアマチュアの先生から音楽の手ほどきを受けました。シューマンの父親はツヴィッカウで書店を経営し、自らワルター・スコットやバイロンを翻訳していましたが、シューマンはこの父親からの影響も受けて、当時流行のロマン派文学にも大変な興味を持っていました。その結果シューマンは、空想に富んだ独特のピアノ曲等を数多く残しました。
ツヴィッカウは統一後、明るくこざっぱりした町に生まれ変わり、クラシックファンの方には、ライプツィヒとともにおすすめの町です。シューマンの生家が現在博物館となっています。
Robert-Schumann-Haus Zwickau
Hauptmarkt 5
08056 Zwickau
(0375)215269
火曜日から土曜日の10-17時